みなさんこんにちは。埼玉県 中大規模木造建築の相談窓口です。
「クリニックを新しく建築したいが、坪単価の相場はどれくらいなのだろう?」「クリニックの建築費用には何が含まれていて、どうすればコストを抑えられるのか具体的に知りたい」このような、クリニック建築の坪単価や費用に関する疑問をお持ちではないでしょうか。
クリニックの建築は、理想の医療を実現するための重要な一歩であると同時に、事業の成功を左右する大きな投資です。特に、建築費用の大部分を占める坪単価については、正確な知識がなければ適切な資金計画を立てることはできません。この記事では、クリニック建築の坪単価を構造別に比較し、費用の詳細な内訳、そしてコストを賢く抑えるための具体的なポイントまで、大規模木造建築のプロの視点から徹底的に解説していきます。
この記事を最後までお読みいただくことで、クリニック建築の坪単価と費用の全体像が明確になり、ご自身の開業計画に合わせた最適な建築プランを立てるための知識が身につきます。これからクリニックの建築を検討されている先生方や医療法人様は、ぜひ最後まで読んでみてください!
クリニック建築の坪単価|構造別の費用相場を比較
クリニック建築の費用を考える上で最も基本となる指標が「坪単価」です。坪単価は、建物の構造によって大きく異なります。
【構造別】クリニック建築の坪単価の目安
クリニックで採用されることが多い、木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)の3つの構造について、坪単価の一般的な相場は以下の通りです。
(※建物の仕様やグレード、地域によって変動します)
上記の表から分かる通り、木造は他の構造に比べて坪単価を最も安く抑えられるという大きなメリットがあります。鉄骨造と比較しても、坪あたり20万円以上の差が生まれることも珍しくありません。
⇩埼玉県中大規模木造の相談窓口の参考価格表(本体価格)はこちらから
坪単価だけでは分からない!クリニック建築の総費用の内訳
ここで非常に重要な注意点があります。それは、「坪単価 × 延床面積」だけでクリニック建築の総費用が決まるわけではないということです。坪単価に含まれるのは、あくまで建物本体を建てるための「本体工事費」が中心です。総費用を把握するためには、それ以外の費用も理解しておく必要があります。
1. 本体工事費(総費用の約70%)
建物そのものを建てるための費用です。仮設工事、基礎工事、躯体工事、内装・外装仕上げ工事、電気・空調・給排水設備工事などが含まれます。坪単価で示されるのは、主にこの部分の費用です。
2. 別途工事費(総費用の約20%)
建物本体以外で必要となる付帯的な工事費用です。具体的には、駐車場やスロープ、植栽などの外構工事、敷地内に電気・ガス・水道を引き込むインフラ工事、古い建物の解体費用などが該当します。この費用は土地の状況によって大きく変動するため、注意が必要です。
3. 設計監理費・諸費用(総費用の約10%)
設計事務所に支払う設計料や工事監理料、建築確認申請などの各種申請手数料、登記費用、不動産取得税、火災保険料などが含まれます。
4. 医療機器・什器購入費(建築費用とは別枠)
忘れてはならないのが、診察台やレントゲン、電子カルテシステムなどの医療機器、待合室の椅子やデスクといった什器の購入費用です。これらは建築費用とは別枠で、数百万から数千万円単位の大きな費用となるため、必ず資金計画に盛り込んでおく必要があります。
クリニック建築の坪単価を左右する4つの要因
同じ坪数のクリニックでも、坪単価や総費用が大きく変わることがあります。その主な要因を4つ解説します。
- 診療科目: レントゲン室が必要な整形外科や、防音性の高い診察室が求められる心療内科など、診療科目によって必要な部屋の仕様や設備が異なるため、建築費用に影響します。
- デザインと内外装のグレード: 患者様からの印象を左右するデザインや、内外装に使用する建材のグレードは、坪単価に大きく影響します。高級感のある素材を使えば、その分費用は上昇します。
- 地盤の状態: 土地の地盤が軟弱な場合、建物を安全に支えるための地盤改良工事や杭工事が必要となり、数百万単位の追加費用が発生することがあります。
- 導入する医療機器: MRIやCTスキャンのような大型で重量のある医療機器を導入する場合、その重量に耐えられるよう床を補強したり、特別な電気設備を設けたりする必要があり、建築費用が上がります。
クリニック建築に「木造」を選ぶメリット
コストメリットの大きい木造建築ですが、クリニックとして建てる場合、費用面以外にも多くのメリットをもたらします。
メリット1:患者様の不安を和らげる癒やしの空間
木材が持つ自然な木目や温かみのある手触りは、人の心を落ち着かせ、ストレスを軽減する効果があることが知られています。私が以前、埼玉県で担当した小児科クリニックでは、「子どもたちが怖がらず、リラックスできる空間にしたい」という院長先生のご要望で木造建築をご提案しました。木の香りと温もりに満ちた待合室や診察室は、子どもたちだけでなく、付き添う親御さんからも大変好評で、「病院に来るのが楽しみになった」という嬉しい声もいただいています。
メリット2:スタッフが快適に働ける環境づくり
木造建築の優れた断熱性や調湿効果は、患者様だけでなく、そこで働くスタッフにとっても快適な環境を提供します。一年を通じて室温や湿度が安定しているため、身体的な負担が少なく、集中して業務に取り組むことができます。働きやすい環境は、スタッフの定着率向上にも繋がり、クリニック経営の安定に貢献します。
参考:木材利用の動向 - 林野庁, https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/r4hakusyo/attach/pdf/zenbun-27.pdf より
まとめ
クリニック建築の坪単価は、木造であれば約80万円からと、他の構造に比べて初期投資を大きく抑えることが可能です。ただし、坪単価はあくまで建物本体の費用であり、総費用には別途工事費や諸費用、そして高額な医療機器費も含まれることを理解し、綿密な資金計画を立てることが成功の鍵となります。
そして、これからのクリニック建築において、「木造」という選択肢は、単なるコスト削減の手法にとどまりません。患者様に安心感と癒やしを与え、スタッフの働く環境を向上させることで、クリニックの提供する医療サービスの価値そのものを高める力を持っています。地域に根差し、患者様から末永く愛されるクリニックを作る上で、木造は最も適した構造の一つであると、私たちは確信しています。
私たち「中大規模木造建築の相談窓口」は、埼玉県でクリニックをはじめとする多くの大規模木造建築を手掛けてきました。事業計画の段階から、コストと品質、そして理想の医療を実現する建築プランまで、ぜひ一度私たちにご相談ください。